4月も中頃になるとあちらこちらで道路の修復工事が始まります。マンハッタンの道路はそれはもうどこも穴ぼこだらけですが、特に冬の間、除雪のためにまく塩が道路を極端に劣化させるので、雪の季節が終わる頃には、1メートルくらいの大穴が道の真ん中にぽっこりあいていたりするのです。
それで4月になると待ってましたとばかりにいっせいに工事が始まるのですが、お昼間、道路が薄皮を剥がされている姿を目にすることはあっても、作業自体は夜中に行われるので、その工事の現場というものを目にしたことはありませんでした。
初めて目にするNYの道路修理の現場は、アスファルトの材料が機関車の石炭のような煙りを出していて、なんだか産業革命という言葉がぴったりな雰囲気。けっしてハイテクに一寸の狂いもなくという様子ではありません。毎年、毎年、何回も何回も同じ作業を繰り返しているのだろうに、きっと何十年も同じ方法で作業しているに違いありません。
でも、何を隠そう私はこういう光景が大好きです。最近めっきり少なくなったなあと思っていましたが、私がNYの魅力の底力と思っている「古くささ」を久々に発見できて、夜中だけど歩くことにして良かった思ったのです。(HINA) |