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やったろうじゃん的バスケット事情 〜NY編〜
としゆき・こいずみ
毎月25日更新
2007/05/25 UPDATED
第40話 『おやじリーグ』

NY のハーレムに通称「おやじリーグ」がある。リーグとは、大会という意味であり、つまり「おやじ」だけの大会である。このリーグ結構名が知れているとわかったのは、GYM の仲間から。何気ない話をしていたら、「知っているよ」という人たちがたくさんいた。「おやじ」はもちろん、20 代の人たちも知っているというくらい名の知れたリーグ。

それもそのはず、このリーグは、 NBA 選手 元ヨーロッパのプロで活躍していた選手 をはじめ、過去にみなそれぞれのリーグで腕をならした選手たちがPLAY している。

ただし、 おやじであることにはかわりがない 。年齢も様々、30代後半から上は50歳くらいまで。筋肉モリモリの人もいれば、超デブの人もいる。

ほとんどの選手にいえることだが、皆、瞬発力はない。

しかし、パスのスピードや、体の動かし方、ビジョンの広さなどは、現役の選手でもかなわないくらいであろう。若いものにはない経験があるので、PLAY 自体がどっしりとしている。

それと、シュートの確率がいい。 P 、3 P がバシバシ決まる

このリーグ、10月から5月までの半年、毎週日曜日に試合があるのである。長丁場の大会。しかも、なんと NBA と同じルール 。12分の4クウォーター制で1試合が行われる。

おいおい、おやじだぞ。。。無茶だよこのルールでは。。。だけども、しっかりこなしている。

■コートサイドではオヤジたちの寄り合い場となっている■

さてさて、このリーグでPLAY するには2つ規定がある。

1つ目は、ある年齢以上ではないといけない。40歳近くでないとPLAY できない。

2 つ目は、TRY OUT に合格しなければならない。プロでもないのに、TRY OUT とは、敷居を高くしているのである。

実は今日ここにきた理由は、私もここでPLAY したいと思い、見学に来たのだ。視察のようなもの。

まずは、会場に入って圧倒される。

■各チームの名前はNBAのチーム名と同じにしている■

全員、黒人。私は、あまりハーレムには行かないので、こう全員が黒人の環境に入ると背筋がピンとしてしまう。

たまたま隣に座った人が気さくなおじさんで、こちらが聞かなくても、いろいろと話してくれる。

「全員黒人なのか」と聞くと、「一人だけ白人がいるよ。ほれ、あそこに」と指をさした方向を見ると、いたいた」、白人が一人だけ。聞くところによると、100人くらいのメンバーが登録している中で、1 人だけだ。

ついでに「アジア人はPLAY してる?」と聞くと、「誰もPLAY していない」と、予想通りの答え。「人種のるつぼ・ニューヨーク」といっても、この会場にはアジア人はPLAY するどころか、我々だけである。中国人や韓国人はいない。結構目立つなぁと思って試合を見ていた。

■オヤジとオヤジの肉弾戦■

さて、このリーグ、最近のバスケット事情を考えてか、「AND  1」の影響だか知らないが、DJ がいる。

このDJ どこから見ても、酔っ払いのじいちゃん。自分の気分でDJ 中継をしている。

試合が始まっても姿を見せないと思ったら、第2クオーターあたりからのこのことやってきて、いきなり

「マイク、チェック。マイク・チェック。ワン、ツー」と、マイクテストを始めた。

試合が始まっているのに、平気でマイクチェック。

「おいおい」と思っていたが、観客は全然無視。まるで「いつものことだよ」的な態度である。

彼は、自分がのってくると。まるで、「AND  1」さながらのマイクパフォーマンスのように、コートに入ってきて喋り捲る。ボールをもっている選手のそばにきてテクテクと歩きよってくる。その距離1M くらい。そこで、

「さぇ、これからどうする?」

「お前は、どれくらいバスケがうまいんだ?みんなにみせてみろ!」

と、選手達にけしかける。

そのほかにも、自分の口でスクラッチなどをやったり、音楽とともにラップで実況中継をしている。しかもこの音がでかい。スピーカーから出てくる音が、ガンガンと響く。まるで彼のDJ を聞きに来て、その余興でバスケをやっているという感じ。もう本末転倒。おかげで、選手同士もお互いの声が耳に入らない時もあるようで、PLAYER 同士が怒鳴りあってコミュニケーションをとっている。

こんななかでPLAY するのはどういう気持ちなのか? 一度は体験してみたいもの である。ボールを持ったらDJ が横にいて、自分を煽ってくれる。気持ちが高まるのか、ただ邪魔なだけか?

■フリースローで集中したいときにもDJが近寄ってくる■

さて、選手達である。

コートが小さく感じるほどでかいPLAYER ばかりである。縦にでかい人はもちろん、横にでかい人がたくさんいる。腹が異様にでている。彼らが、試合中にスクリーンをかけているのだが、もう肉弾戦そのもの。コートからブヨンブヨンと音が聞こえそうである。

しかし、この「ブヨンブヨン達」がよく動くのである。基礎的な動きは知っているので、スマートなバスケットである。スクリーンを使い、ノーマークをつくり、鋭いパスをさばく。無駄のない動きである。チームメイト同士が、余計に動かないから(動けないから)、すぐにノーマークが作れる。

リバウンドの争いも、リングの上で奪い合っているときもある。年をとっていても、レベルは高い。

■審判もオフィシャルもみんなオヤジ■
■無駄な動きをせずに体力を温存しているメンバー■

ここで、やってみたいと思い、主催者に話してみた。

いろいろな話をした後で、

主催者:「By the way who wanna play? 」(ところで、誰がやりたいんだ?)

私:「excuse me? 」(えっ?)

主催者:「I said who’s gonna play. 」(誰がやりたいと聞いたんだよ)

私:「Of course it’s me. 」(もちろん、私なんですけど。)

主催者:(私の頭から足までを見て)「You???? Can you play? 」(お前?バスケできるの?)

私:「I’ll try my best. 」(ベストを尽くすよ)

と伝えたが、信じていない様子。まぁ、こんなことはこっちでは日常茶飯事なのでもう慣れたが、彼らにしてみれば、「日本人(アジア人)」のバスケなんて屁だと思っている連中がたくさんいる。

知らないところで、ピックアップゲーム(その場にいる知らないもの同士が3対3などの試合を行うこと)するときも、絶対に最後に選ばれる。「お前でいいや」的な選び方。

だけども、これがこっちのやり方。それで、外見と同じように、下手だと全然パスがまわってこない。だけども、それとはウラハラに、上手いとどんどんパスがまわってくる。

私はその過程がが好きだ。最後に選ばれたが、試合の最後のほうではパスがまわってくるその時に、みんなに認められたと思える瞬間が好きである。

このときも、同じように感じた。とにかく、こんなことは慣れっこなので、とりあえず私のPLAY を見てくれと、お願いした。

そうすると、

「Ok. Come next Sunday. We’ll have a kind of try out. If you’re good, you can play in this league. But it’s not, you can’t. 」

(わかったよ。次の日曜日にトライアウトがあるから、来ればいい。君の実力があれば、このリーグでPLAY できるよ。でも、それにあわなければダメだな。)

よっし。やってやるぞ。と、闘争心がついた。と同時に、 オイオイあと、1週間しかないのかよ! 。という心配も正直でてきた。

とにかくやったろうじゃん的な考えでその会場を後にした。

さて、結果はどうなったかというと、今度お知らせします。
■コミッショナーは私がPLAYできるかどうか不安であった■
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