aozorany.com
お問い合わせ先 NY日系コミュニティガイド
やったろうじゃん的バスケット事情 〜NY編〜
としゆき・こいずみ
毎月25日更新
2006/08/25 UPDATED
第30話 『3on3(Hoop It Up) 大会』

これぞ、「ストリート・バスケ!」といった 「 Hoop It Up 」 という 3 on 3 大会に参加した。

これは、数ある 3 on 3 大会の中で一番多いもので、年1回しか行われない大イベントである。この大会は全米規模のもので、各州の代表に選ばれたら、全米大会の出場権を手にすることができるというものだ。

この大会はアメリカだけでなく、日本でも行われている(2006年大会は中止になった)ので、名前だけでも聞いたことがある人もいるであろう。

3 on 3 というものは、簡単にいえば3対3の試合 である。通常は、5対5であるが、それを3人づつ、計6人で、PALYするいたってシンプルな試合である。

コートは半分しか使わない。だから、ゴールはひとつだけでよい。ボールとゴール1つあれば、3on 3はできるのである。場所は小さくても、できるという利点である。

そして、最大の特徴は屋外でやるということだ。

■高層ビルに囲まれたコートは、気持ちがいい■

ニューヨーク大会はサダウンタウンにあるサウス・ストリート・シーポートのそばの 公道を、長さ500 M 位にわたって封鎖 して、コートを作っていた。全部で40面くらいのコートがあり、それぞれのディヴィジョン(レベル)に分かれて白熱した試合が行われていた。

普段は、車がバンバン通っている道路を、歩行者天国状態で、バスケットコートを作っているので、場所によっては地面が傾いていたり、リングが曲がっていたりしている。交差点に作られたコートなんて、もろに風の影響を受けていた。 我々がやったコートはマンホールがあり 、バウンドパスをしたら、イレギュラーしたボールのように予想もつかないところにとんでいった。

■赤いペンキで書かれただけ即席コートが40面くらいあった■
■コートによってはマンホールがある。(画面中央左)■

ルールも少し違う。まずは、20点先取。30分以内に決まらなければ、その時点で、得点の多いほうが勝ちとなる。

通常のゴールは1点。3P シュートは2点となる。そして、フリースローも1点である。

これが曲者である

通常は、

2P シュートは2点

3P シュートは3点

これ、当たり前。しかし、今回のルールは、

2P シュートは1点

3P シュートは2点

と加算される。つまり、 3Pシュートは2Pシュートの倍 となるのである。これが、今回の試合のキーポイントであった。

個人ファールは4つまでで、5つ目をしたら退場となる。しかし、ストリート・バスケである。通常のファールをしても全然笛が鳴らない。多少の競り合いは無視されるのである。リバウンド時などは、格闘技のような攻め合いをしている。

私は、2000年から参加しているので、これで6年目である。毎年違うメンバーで参加しているが、今年はSuper Soul Sonics から翔、トム、鍵冨、トオル、そして私、の5人で参加した。

1日目と、2日目の午前中でリーグ戦をやり、上位4チームが、2日目の午後に行われる決勝トーナメント出場できる。

我々は、リーグ2位で、決勝トーナメントに進んだ。

■1対1が中心の3on3■

さて、この3on3 、今年は少し傾向が変わっていた。以前は、3on3 というと、ストリートスタイルのバスケばかりであった。いわゆる黒人たちがplay するような、ボールを股にとおしたり、フェイントを何十回もやったりといった、トリッキーなplay が目立っていた。 1対1を中心に、いかに自分がディフェンスを抜くかということに重きを置いていた

しかしである。今回のどのチームをみても、 ほとんどが3P狙いなのである。すぐに3P シュートを打つのである。リバウンドをとって、ゴール下にいるのにもかかわらず、外にパスを出して3P シュートを狙っているのである。

当たり前といえば、当たり前。なにしろ、得点が倍なのであるから。いかにカッコいいPLAY をしても、派手なダンクをしても、1点。地味な3P をきめれば2点である。

みんな、だんだん賢くなってきているのである。 自己満足の1点よりも、遠くから打つ2点のほうが有利に試合を進めることを知っているのである。

それが、わかっていないチームは負けていた。逆に、そのことに気づいていて、ドリブルもままならないが、3P だけは入るというチームが勝ち進んでいた。

我々も、そこをわかっていながら、やられてしまったパターンである。

リーグ戦で、1敗したときも、相手の3P にやられた。こちらも得点は決めているのだが、1点ばかり。相手は、確実に2点狙い。 普段の試合の感覚が身についている我々 は、得点を途中できくと、「え?もうそんなに離れているの?」と、疑う。自分たちが得点しているので、競り合いの試合をしている雰囲気になるのである。しかし、得点しているのは1点である。それに対して相手は、2点ばかりを決めている。 これこそ、3 on 3 マジック。

気づくと、得点差に驚く。やっている選手は、普段の得点の進み具合で、試合をしているが、実は驚くほど違うのであった。

頭ではわかっていても、今まで、 何十年もやってきたバスケ経験がそれを邪魔する 。自然と、ゴールに近いほうに、ボールをまわしてしまう。

何度も、ミーティングで確認するが、やられてしまった。

■これが18対18の時のタイムアウト■

そして決勝トーナメント。初戦は、明らかに格下のチームであった。試合の中盤まではこちらが圧倒的にリードしていた。大勢の応援に来てくれた人たちの声援にも助けられ、押せ押せムード一色だった。

しかし、それまで決まっていなかった、相手の3Pが決まりだした。それまで、あった得点差が一気に縮まった。審判にスコアを聞くと、 18対18 。自分の中では、18対14くらいだろうと思っていたのが、なんと同点。しかも、3P シュートを決められれば終わりである。

相手がタイムアウト。相手の作戦は3P 狙いであろう。これに対してうちの作戦は、1点狙い。そのかわり3P に対するディフェンスを強化しようということで、意見が一致した3Pのギャンブル狙いよりも、確実に1点を決めようということだった。そのかわりディフェンスはタイトにするという作戦。

さぁ、相手のボールから試合再開。なんとか3P を打たせないように、ディフェンスをした。ナイス・ディフェンスで、相手がシュートを外す。そしてマイボール。

作戦通りに、1点を狙う攻め。これが決まり、19対18。みんな盛り上がっている。

気づくと、観客がたくさんいた。それもそのはず、今大会の参加で、 日本人はいうまでもなく、アジア人のチームとしての参加は我々だけであった 。みんな興味津々でみていた。我々の友達・家族だけでなく、みんなが固唾をのんでいた試合であった。

そして、相手ボール。これをおさえれば勝てる。さぁ、ディフェンスを・・。と皆が気合を引き締めているところで、相手がいきなりシュート3P を打った。しかも、すごく離れたところから。そんな離れたところから打つのか?というような感じ。そして、それが見事に決まってしまった。そこで、試合終了。

唖然

試合に出ている選手、応援に来てくれた友達や家族、一同皆がっくり。まさか、まさかの敗退。

3P の威力に負けた。

優勝するつもりでいただけに、がっくり感が大きかった。私は、この大会のために、すべてのことを二の次に考えていた。この大会で優勝することだけを考えていただけに、この負け方は悔しかった。

3on 3には5on 5とは違った、戦い方が必要なのであった。

「また来年がるさ」という前向きな気持ちになれないのは、年齢だけの問題ではないのであろう。

2006年の夏のひとつの出来事であった。
としゆき・こいずみプロフィール
BACK NUMBER:
2008/07/25
一番嫌いなチームはボストンセルティックス?
2008/06/25
JFB〜NYのバスケ好きが集まる・老若男女参加型バスケ〜
2008/05/25
ニューヨーク・ニックス 新監督就任
2008/04/25
日本人もできるバスケット〜DUKE大学から学んじゃおう〜
2008/02/25
日本人女子バスケットボールチーム・MINERVA(ミネルバ)
2008/01/25
実はまだ続く。TRY OUTの意外な結果
2007/12/25
TRY OUT再び
2007/11/25
上手くなりたいなら・・・
2007/10/25
たった1つのPLAYが歴史に残る
2007/09/25
マイケル・ジョーダン、ゾーンに入る
2007/08/25
あなたのジャッジにはお金がからんでいますか?
2007/07/25
おやじリーグ -TRY OUTの結果-
2007/05/25
おやじリーグ
2007/04/25
女子カレッジ・バスケの影響力
2007/03/25
誰がMVP?
2007/02/25
何才までバスケットやりますか?
2007/01/25
潜入!カレッジ・バスケットボール
バックナンバー一覧
「Super Soul Sonics」のHP
*このコラムに関するご意見・ご感想、 としゆき・こいずみさんへのメッセージなどをお待ちしております。こちらのフォームをご利用ください。
HOME NY STORY やったろうじゃん的バスケット事情 〜NY編〜 by としゆき・こいずみ
Copyright © Heliopolis Systems Inc. All rights reserved.