さてさて、トライ・アウト2次テストの当日に話は戻る。最初はミーティング。今日の予定等を話しているらしい。
そして、実際に始まった。監督が直々に笛を持って指導している。最初は「クロスの3メン」。各選手が無難にこなしていく。ダンクなんて当たり前。しかし、簡単なレイアップ・シュートを落すと、監督がすかさず、ピーィ!と笛を吹いて、やり直し。
なるほど、こうやって一つのこだわりみたいのをもって指導してるのだなと感心していた。
練習が「クロスの3メン」から、戻りは「2対1」の練習になった。
ディフェンスが出てくると選手たちは、いかに自分をアピールしようかと、ドリブルを派手に見せたり、派手なダンクをしたりし始めた。
「翔」も得意のスピードでアピールしている。パスも決まりだしている。もちろん、今日来てる選手たちの中では低く、華奢である。そのでかい奴らの中をかいくぐるように、
PLAY している。
さて、練習も中盤くらいになってきた。「2対2」や「3対3」をやりだしている。「練習」と書いたが、そうなのだ。ふっと気づいたのは、俺はトライアウトを観に来ているのに、まるで練習を観にきているかのような錯覚に陥ったのである。つまり、私がイメージしていたトライアウトとは全然違ったのである。ただ単に練習をしているだけのようである。
だから、「3対3」をやっているときに、監督が細かく笛を吹いて、練習をとめていた。そして、指導しているのである。指導している内容はなんと「ディフェンス」。オーバーディフェンスの仕方や、ヘルプの仕方。中学生が学ぶようなディフェンスの基本的な手の広げ方等々。スクリーンのときにファイト・オーバーや、スイッチ。驚いたことにディフェンスの中で特に指導しているのが、「チームディフェンス」。
で、とうとう監督がみんなに言った。笛を吹いて練習をとめた。
「 I don’t wanna see your showy offense. (派手なオフェンスなんてみたくないんだ)
I don’t wanna see your fancy dribble. (カッコいいドリブルなんて期待していない)
I don’t care your basketball. (君たちのバスケットスタイルなんて知ったこっちゃない)
What I wanna see is the team play…. (チームプレーができるかどうかが、みたいんだ)
あぁ、そうなんだ、と思った。確かに、うまい奴は必要かもしれないけど、その選手が今のチームに必要かどうかは別の問題である。このトライアウトは監督が欲しい選手を見つけるためである。それを再認識した。
しかし、この監督は言いたいことを言っている。アメリカのバスケって、選手を尊重して、褒めて伸ばす教育をしているかと思えば、実際にこっちにきてみて、その逆を目にすることが多い。たまに、練習をみる機会があると、監督も結構怒鳴っているし、著名な監督の本を読んでいても厳しいことが書いてあるし、最近の映画「Coach
Carter」でも、厳しい・・・・・この監督もしかり。
練習中に、ポジションどりの場面があって、オフェンスがディフェンスをひじで押していたのを見た瞬間。
「 I don’t know why you all guys do like that.( なんでみんなが、そういうふうにやるのがわかない
)
Just stay your position and turn around. (ここにたって、体をひねればいいだけだ)
You don’t need to use your elbow. (ひじなんて使う必要はないだろ!)
Just go home. (もう帰れ、帰れ!) .
I don’t see that again. (そんなPLAYはみたくない)」
選手からみれば、死活問題である。大袈裟でもなく本当だ。ここで、受かればバスケで飯が食っていける可能性がでてくる。なので、ついムキになってラフな
PLAY をしてしまうこともしばしばあるのであろう。でも、監督はそういう場面を見逃さない。そこはお互い引けないところであるのは、外から見ていて興味深かった。しかし、所詮、選ぶのは監督・スタッフであるチーム側であるのはいうもでもない。このチームが欲しいと思っているPLAYをしなければ意味がない。
この監督はよく練習を中断する。オールコートで「4対4」をやっているときに、ディフェンスがナイスカットをして、速攻というときに、ピィ〜!と笛を吹く。選手側としては、これからのっていき、「さぁ、行くぞ!」ところという時に、笛を吹くので選手はリズムを壊してしまう。
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