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やったろうじゃん的バスケット事情 〜NY編〜
としゆき・こいずみ
毎月25日更新
2005/10/10 UPDATED
第10話 『リーグ戦最終試合 その1』

前々回のコラムでも書いたとおり、優勝候補といわれるチームに勝ち、2勝2敗となった。そのあと勝ったり負けたりで 4勝3敗になり、とうとうPLAY−OFF出場は今日の最終日の結果次第ということとなった。

今日勝てば、PLAY−OFF出場決定。負ければリーグ終了。まさに、天国と地獄

相手の戦績は1勝5敗。記録から見ると弱そうだ。でも気は抜けない。油断は大敵である。

■試合前のミーティング■

試合が始まる。相手はゾーン。それなら好都合。なぜなら我々のチームは、ここ何試合かミドルシュートの確率が高い。パスをまわして、ノーマークを見つけてシュートをする。前の試合での反省である、「外」→「中」→「外」→「中」のパス回しさえ、うまくできればOKである。

パスが順調に回る。得点も入る。いいリズムである。

しかし、なにかおかしい。

点差がひらかないのである。こちらがいくら入れても、点差がひらかないのである。答えは簡単。つまり、向こうも得点をいれているからである。

バスケットはオフェンスとディフェンスの2つがセットになっているスポーツである。「オフェンスだけやっていればいい」とか、「ディフェンスがうまければいい」ということではない。2つやらなければいけないのである。そして、大切なのが、ボールを持っていないところでも、オフェンス・ディフェンスに参加しなければいけないということである。

いいチームは、自分たちのオフェンスをやって得点を決める。そして、ディフェンスもしっかりとやるから、またオフェンスにすぐ戻る。そして、また得点を決める。そうやって得点差がひらいていくのである。一方で、オフェンスができて、ディフェンスが出来ないチームは自分たちでリズムを崩してしまう。オフェンスしかやらないから、相手に得点をされてしまう。バスケット的にはOKかも知れないけど、これが「勝ち負け」の問題になると、オフェンスだけやっているのでは、どうだろうか?

このコラムは現役高校生も読んでくれているということなので、敢えて彼らに言わせてもらうと、「ディフェンスをしっかりやれ!」ということだ。「オフェンス」の方が、派手でカッコいいかもしれないけど、「チームの勝利への貢献度」を考えると、ディフェンスの方がはるかに大きい。それを忘れずにPLAYしてほしい。

■基本的な2対2の練習■

さて、話は試合に戻る。今の我々のチームは、オフェンスはいいが、ディフェンスが機能していないのである。少し専門的だが、ボールがオープンサイドに展開されたときのカットインに対応しきれずに、すんなりと抜かれているのである。

これは、シーズンを通して我々の欠点である「ABCディフェンスのポジション取り」ができていないからである。それプラス1対1のディフェンスが抜かれすぎだ。シーズン後半になってきて、スクリーンに対するヘルプはできてきているのだが、この「ディフェンス・ムーヴィング」ができていない。

ここにきて、その欠点をつかれてきた。当然、肉体的に疲れてくる。疲れてくると、どうなるか?次はファールである。相手に抜かれて足で追いつけないから、手が出てしまう。それが、ファールとなる。そして、シュート時のファールはフリースローとなる。相手はこれをちゃんと決めて得点となる。

ジレンマである。いいオフェンスをしていても、ディフェンスが悪いので得点差が縮まらない。

とうとう、今度はオフェンスにも影響してきた。疲れも出てきて、選手の動きが鈍くなる。シュートも決まらないし、パスミスも目立ってくる。

思いもよらず、苦戦。

そこで前半終了。なんと、26対23。3点差で負けている。1勝5敗のチームにこんな試合をやっていて、優勝だなんて、調子のいいこといいってられるか!これだったらPLAY−OFFも無理だ。

気持ちの入れ替えをして、後半にのぞむ。

■練習の成果をだすことができるのか?■

後半、最初に決めたのは、相手。28対23となる。我々の目標である、「前半・後半ともに最初にゴールを決める」という決まりごとが守られていない。そして、もう1本入れられる。2連続で決められた。これで、30対23。後半始まってわずか3分で、7点差までに広がった。

ここから、今度はオフェンスが機能しなくなった。誰も、シュートを打たなくなったのである。みんな、萎縮してしまっている。「おれが打って入らなかったら・・・」という気持ちがありありと出ている。

さらに、リバウンドが取れていないので、「シュートを外すこと=相手にボールがわたる」という図式が出来上がっているのだ。

こういうときはどうする?

もうボールを追うしかないのである。そう「ボールへの執着心」である。

そうすると、足がでるようになる。疲れているけど、まだ走れるのである。

試合の流れが変わってきた。我々も細かいパスから得点に結び付けている。後半残り18分15秒で、32対31まで追いついた。1点差である。

ここから正念場である。このまま勢いに乗って逆転したいところ。

しかし、相手もあきらめない。カットインからシュートを決める。それを外しても、いいところでリバウンドをとり、そのまま得点を入れる。

41対31。10点差もついてしまった。しかし残り14分23秒。まだまだある。お互い疲れているのは、一緒。我々はPLAY−OFF出場がかかっている。負けられない。でも、気持ちだけでは前に進まない。足を動かして、声を出して、練習したことに自信を持ってPLAYするだけである。

ここで、バスケットでは珍しいことが起こった。2分、3分と時間が過ぎていく。両者、無得点のままである。無得点の時間がこんなに長いのは!勝利の女神が、どちらにしようかな?と、迷っているようである。4分、5分と過ぎる。お互い、無得点のままである。

得点を先に決めたほうがこの試合に勝つような気までしてきた。

緊張

ドクン ドクン ドクン

心臓の音が聞こえてくるようである。

約9分を過ぎたところ、やっと得点が入った。 我が、「Super Soul Sonics」に得点が入ったのである。

41対33。あと8点。残り4分15秒。

ここからがスタートである。

PLAY−OFF出場を手にしてやる!メンバーの心にはそんな気持ちがあっただろう。

次号に続く。

Drawing: いまたゆか
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