aozorany.com
お問い合わせ先 NY日系コミュニティガイド
やったろうじゃん的バスケット事情 〜NY編〜
としゆき・こいずみ
毎月25日更新
2005/06/25 UPDATED
第3話 『ストリート・バスケで日本人(アジア人)がよく言われること』

 ストリートでバスケをやっていると、見ている観客も意外とおもしろい。

 カッコいいシュートが決まったり、シュートブロックしたりすると、声援がおこる。「Wow!」「Great!」など、言われると気持ちいいものだ。

 しかし、なかには「Yao!」と声援する奴もいる。「Yao」とは、あのHouston RocketsのセンターのYao Ming選手だ。特に、高校生などにいわれる確率が高い。嬉しいんだか、嬉しくないんだか自分自身でもわからない。ただ、私が180cmで、ガタイがいいからという理由だけなのだろう。

 そういわれると、無理をしてでも、センタープレーをしない。その代わりに3Pとかを打ち出す。頑なに、「俺は、Yaoじゃないんだぞ」と、自分の主張をバスケでしめしたくなる。

 つい最近もそんなことがあった。家の近所に、バスケットコートがある。そこは、小・中学校のすぐ隣であり、休み時間や、放課後によく小学生がバスケをやりに来る。

 たまに、一人でシューティング練習をしているのだが、遊びで3対3とかをやる。その年頃って、なんでも騒ぎたくなるもので、私がシュートを決めると、「Yao!」と、言う。「またか・・」と思いつつも、いつものように、3Pを打ちはじめた。相手は、まだ子供だ。だから3Pシュートも簡単に入る。

 そうすると、「What’s wrong with Yao?」と、きたもんだ。

 「俺は、いつからYaoになったんだ?!!」と、Playに集中できずに、観客の声が気になってくる。いったいどんな奴が、言っているんだろうと思い、声の元を探していると、まだ、7歳くらいの子供だった。

 彼が、私のことをじっと見ている。アジア人が珍しいのか、それとも、単なる興味で見ているのか、わからないが、しきりにしゃべっている。というより、怒鳴っている。まだ、顔のほうが、両手で持っているボールよりも小さいのに、声はでかい。

 そして、目があったときに「Where’s my Yao?」と、私に向かって叫んだ。そして、何かをうったえるような目線。もうこれは、自分のバスケがどうのこうのといってる場合じゃないでしょ。

 それから、あまり得意でもないセンターPlayをした。ポストPlayを決めると、「That’s what I’ve wanted!!」と、無茶苦茶、喜んでた(なんで、そこまで喜んだのかわからなかったが)。そのあと、何回もポストPlayを決めた。私をマースしている相手は、私よりも小さいのだから、シュートが入って当たり前と思うが、そうではない。こっちの中学生でも結構うまいもんだ。それに、髭なんかも生やして、体格もいい。こっちも、真剣になってくる。シュートが決まってくると、自分ものってくる。「よしよし」などと思って、「どうだい!」的にさっきの子供を見てみると、彼はもういなかった。肩すかしを食らったようだった。急に自分が恥ずかしくなり、それから、控えめにPLAYをした。もう即興「Yao」的PLAYはしなくなった。

 海外でPLAYしてる日本人は誰もがこういう体験をしてると思う。Yao Mingが活躍するのは嬉しいが、こんなところまでとばっちりが来てるとは、Yao Ming本人も知らないだろう。

 最近は、慣れたもので、「Yao!!」と呼ばれても、「ハイハイ、Yaoですよ」と、開き直っている。

■ゲームが始まると観客も真剣そのもの■

 さて、話はころころっと変わり、我々のチームSuper Soul Sonics ver.2である。4戦4敗ときて、未だに白星なし。冗談になっていない。目標はでかいこといっているが「地に足がついていない状態」である。

 それもそのはず、私はずっと先を見てコーチをしていた。「パッシングゲーム」というパスを中心に展開していくゲームを行うため、パスがつながっていけばそれでいいと思っていた。「例え、シュートが入らなくても、それまでの過程がよければいいんだよ」というコーチングをしていた。

 しかし、選手にその考えを理解してもらうには今の段階では無理であった。彼らは、私に対して少なからず不安を持っていたに違いない。「本当にこれで、勝てるのか?」「この人のコーチで勝てるのか?」という気持ちがあったことは否定できないと思う。

 そこで、5戦目には作戦を変えた。

 「この試合は勝ちにいく。先のことなど、考えずに、この試合を勝つことだけを考える。」という指示を出した。そして試合が始まり、みんな自由にやっていた。生き生きしていた感じが私の目に映っていた。しかし、前半は1点差で負けていた。

 なんとか、勝ちに行こうと、みんながそれぞれ、気を抜かずにPLAYしていた。みんあんも自由にやっていた。チームのムードもよかったと思う。結局62−58の4点差で、初勝利をおさめることが出来た。

 試合終了後のみんなの顔には笑顔があふれていた。5試合目にしてやっと初勝利をものにした選手にとって、「やっと勝てた・・・・」という気持ちがあったのだろう。

 自分の信念をどのように理解してもらえるか?選手の力を120%だすBESTの方法はなにか?など、目の前にあるコーチングの課題は試合をするたびに増えていく。

 さぁ、来週からはPLAY−OFFである。今のチームの雰囲気はいい。この流れを崩さないように、試合にのぞみたい。

■チームの士気を下げないように指示(第5戦)■
■フリースローも大事(第5戦)■
■このように審判と仲良くなるのも作戦の一つ(第5戦)■
としゆき・こいずみプロフィール
BACK NUMBER:
2008/07/25
一番嫌いなチームはボストンセルティックス?
2008/06/25
JFB〜NYのバスケ好きが集まる・老若男女参加型バスケ〜
2008/05/25
ニューヨーク・ニックス 新監督就任
2008/04/25
日本人もできるバスケット〜DUKE大学から学んじゃおう〜
2008/02/25
日本人女子バスケットボールチーム・MINERVA(ミネルバ)
2008/01/25
実はまだ続く。TRY OUTの意外な結果
2007/12/25
TRY OUT再び
2007/11/25
上手くなりたいなら・・・
2007/10/25
たった1つのPLAYが歴史に残る
2007/09/25
マイケル・ジョーダン、ゾーンに入る
2007/08/25
あなたのジャッジにはお金がからんでいますか?
2007/07/25
おやじリーグ -TRY OUTの結果-
2007/05/25
おやじリーグ
2007/04/25
女子カレッジ・バスケの影響力
2007/03/25
誰がMVP?
2007/02/25
何才までバスケットやりますか?
2007/01/25
潜入!カレッジ・バスケットボール
バックナンバー一覧
「Super Soul Sonics」のHP
*このコラムに関するご意見・ご感想、 としゆき・こいずみさんへのメッセージなどをお待ちしております。こちらのフォームをご利用ください。
HOME NY STORY やったろうじゃん的バスケット事情 〜NY編〜 by としゆき・こいずみ
Copyright © Heliopolis Systems Inc. All rights reserved.