ストリートでバスケをやっていると、見ている観客も意外とおもしろい。
カッコいいシュートが決まったり、シュートブロックしたりすると、声援がおこる。「Wow!」「Great!」など、言われると気持ちいいものだ。
しかし、なかには「Yao!」と声援する奴もいる。「Yao」とは、あのHouston
RocketsのセンターのYao Ming選手だ。特に、高校生などにいわれる確率が高い。嬉しいんだか、嬉しくないんだか自分自身でもわからない。ただ、私が180cmで、ガタイがいいからという理由だけなのだろう。
そういわれると、無理をしてでも、センタープレーをしない。その代わりに3Pとかを打ち出す。頑なに、「俺は、Yaoじゃないんだぞ」と、自分の主張をバスケでしめしたくなる。
つい最近もそんなことがあった。家の近所に、バスケットコートがある。そこは、小・中学校のすぐ隣であり、休み時間や、放課後によく小学生がバスケをやりに来る。
たまに、一人でシューティング練習をしているのだが、遊びで3対3とかをやる。その年頃って、なんでも騒ぎたくなるもので、私がシュートを決めると、「Yao!」と、言う。「またか・・」と思いつつも、いつものように、3Pを打ちはじめた。相手は、まだ子供だ。だから3Pシュートも簡単に入る。
そうすると、「What’s wrong with Yao?」と、きたもんだ。
「俺は、いつからYaoになったんだ?!!」と、Playに集中できずに、観客の声が気になってくる。いったいどんな奴が、言っているんだろうと思い、声の元を探していると、まだ、7歳くらいの子供だった。
彼が、私のことをじっと見ている。アジア人が珍しいのか、それとも、単なる興味で見ているのか、わからないが、しきりにしゃべっている。というより、怒鳴っている。まだ、顔のほうが、両手で持っているボールよりも小さいのに、声はでかい。
そして、目があったときに「Where’s
my Yao?」と、私に向かって叫んだ。そして、何かをうったえるような目線。もうこれは、自分のバスケがどうのこうのといってる場合じゃないでしょ。
それから、あまり得意でもないセンターPlayをした。ポストPlayを決めると、「That’s
what I’ve wanted!!」と、無茶苦茶、喜んでた(なんで、そこまで喜んだのかわからなかったが)。そのあと、何回もポストPlayを決めた。私をマースしている相手は、私よりも小さいのだから、シュートが入って当たり前と思うが、そうではない。こっちの中学生でも結構うまいもんだ。それに、髭なんかも生やして、体格もいい。こっちも、真剣になってくる。シュートが決まってくると、自分ものってくる。「よしよし」などと思って、「どうだい!」的にさっきの子供を見てみると、彼はもういなかった。肩すかしを食らったようだった。急に自分が恥ずかしくなり、それから、控えめにPLAYをした。もう即興「Yao」的PLAYはしなくなった。
海外でPLAYしてる日本人は誰もがこういう体験をしてると思う。Yao Mingが活躍するのは嬉しいが、こんなところまでとばっちりが来てるとは、Yao
Ming本人も知らないだろう。
最近は、慣れたもので、「Yao!!」と呼ばれても、「ハイハイ、Yaoですよ」と、開き直っている。 |