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From: Maki Sano
Sent: 2008/08/13
To: Everyone  
Subject: アメリカが 10 年以内に 100% クリーンエネルギーの国に?

こんにちは! お元気ですか?
ン十ン回めの誕生日を迎えたMaki from New Yorkです♪

家人がいっぱい巻き寿司をこしらえてくれたので(ありがとう!)
それ持って船に乗ってイーストリバーに行ってきます。
ちょうど今、イーストリバーの水上4カ所で
オラファー・エリアソンという北欧のアーティストによる
人口滝のインスタレーションアートが見られるのです。
えらいことやっちゃうもんです。

見に行けない方は、こちらで写真をどーぞ!
http://www.nyfalls.com/nycwaterfalls.html

さて、この時期、日本のみなさんは
TVのオリンピック中継に釘付けでしょうか?
こちら米国は時差の関係で中継が難しいこともあってか
どうも今ひとつ盛り上がりに欠けているようですが、
それでもやはりオリンピックのTV放映は高視聴率が望めるらしく、
各社力の入った特別CMを流しています。

オリンピックという、誰もが多少なりとも愛国的になる行事
だけに(私でさえつい日本人選手に肩入れしちゃう ^^;)、
オバマ、マケインの両大統領候補もここぞとばかり
しっかりCMを流してます。自分の宣伝だけじゃなく、
相手を非難するネガティブキャンペーンもですけどね。

そんななか、昨日(あ、もう一昨日ですね)、
おおっ!と身を乗り出すCMが流れました。
http://www.wecansolveit.org/page/invite/repoweramerica

いわく、
「アメリカを10年以内に100%クリーンエネルギーの国にしよう!」

なんと大胆な。そして小気味よい!

アメリカの田舎町に、あるいは都会の真ん中に、
突如現われた巨大な電源スイッチ。
最初は不振そうに見ていた人々が
おそるおそる、一人また一人と
そのスイッチに近づき手を触れる様子は、
まるで「2001年宇宙の旅」のモノリス出現のシーン。
やがて大勢の人が集まってきて
その巨大スイッチのバーを押し始める……

そんな映像とともに、次のようなコピーが流れます。

〜〜〜以下、荒訳〜〜〜

私たちはみんな知っている
この国が厳しい課題に直面していることを

低迷する経済、高騰するガソリン価格
外国産石油への高まる依存、ますます悪化する気候の危機

しかし私たちの多くが知らないことがある
それは、これらすべての課題に
新しく力強い解決策があるということ

私たちは、よりスマートでクリーンな動力源に
スイッチ(=転換)できる
風や太陽など無料のエネルギーを利用できる
経済に活力を与えることができる
新しい雇用をつくりだせる
より安全な国づくりもできる

答えはシンプルだ
この国を10年以内に100%クリーンエネルギ―の国にしよう
あなたの支えがあればできる

今すぐwecansolveit.orgにアクセスして、
より明るい未来のためにスイッチを押そうと
すでに行動を起こしている100万人以上の人々と連帯しよう

私たちみんなが力を合わせれば
アメリカは再び力を取り戻せる
私たちみんなが力を合わせれば
気候の危機は解決できる

〜〜〜以上、荒訳〜〜〜

洞爺湖サミットを前に、福田首相が
「2050年までに温暖化ガスの排出を現状から60〜80%減らす」
と宣言した時には、「おお〜、あの日本がビジョンを
打ち出したよ〜、しかもかなりがんばった数字だよ〜」
とちょっと感動したものです。
でも、このCMには降参!
なんせ10年で100%グリーン化ですからね。

実際、できないことはないのでしょう。
地球表面に40分間降り注ぐ太陽エネルギーだけで
世界のエネルギー需要1年分をまかなえるとか、
アメリカ中西部回廊地帯を1日に吹く風だけで
アメリカ全土の電力需要がまかなえるとかいう話を聞くと、
その気になれば10年でも十分できそうに思えます。
でも、そのためには超えなきゃいけない(技術的というより政治的な)
ハードルがたくさんあるので、たとえできると分かっていても
「10年でやろう!」と言える人はなかなかいないですよね。

では、そんなことを言っているのは誰かというと、
The Alliance for Climate Protection(気候保護同盟)。
そう、去年開かれた地球規模の温暖化啓発コンサート
「ライブアース」の共催団体で、
アル・ゴア氏が設立した無党派の非営利組織です。

「大統領でもない人が呼びかけたってダメじゃん!」
と思われる方もいらっしゃるでしょうが、どっこい
ゴア氏の発言は党派を超えて非常に尊重されており、
共和党のマケイン氏をして「If the vice president says it's doable,
I believe it's doable.=あの副大統領ができると言うのなら、
私はできると信じる」と言わしめるほど。
(この思考自体どうなんだろ〜と思いますけどね ^^;)

このキャンペーンの新聞広告は、対立する党派の政治家同士など
ちょっとありえない組み合わせの2人がツーショットで出てきて
「超党派の協力」、日本風に言えば「小異を捨てて大同につく」
ことの大切さをアピールするシリーズとなっていますが、
こんな大技ができるのも、ゴア氏の力あってこそなのでしょう。
http://www.wecansolveit.org/content/pages/204/

コピーライターとしては、掛け言葉の妙にも感心させられました。
「Switch」は、おなじみ電源の「スイッチ」と、
クリーンエネルギーへの「転換」の両方を意味しているし、
「Power」は、石油や風力といった「エネルギー」と
アメリカ人が取り戻したい「国力」の両方を意味しています。

さらに、「10年以内に100%クリーンエネルギーにする」という
ビジョンを聞いて多くのアメリカ人が思い出すのはきっと、1961年の
ケネディ大統領の言葉「10年以内に人類を月面に立たせる」でしょう。
当時、月に行くなんてできっこないと思った人は大勢いたはずです。
けれど8年と2ヶ月後、人類は本当に月面に降り立ちました。

このケネディ大統領の言葉を彷彿させるビジョンを打ち出すことで、
「できっこなさそうだけど、もしかしたらこれだってできるかも」
と人々に思わせ、なおかつオリンピック&大統領選挙前という
アメリカ人が皆少なからず愛国的になる時期を狙って
「あの輝いていたアメリカをもう一度取り戻そう」とやるあたり、
うまいな〜、ニクいな〜、と感じました。

最後に、CMを見ていて、ひとつ気になったことがありました。
「10年以内に100%クリーンエネルギー」という大胆なビジョンには、
もしかして「原子力の力を借りて」という但し書きがあるんじゃないか
と思ったのです(CO2排出が風力やソーラーよりも少ないことから、
原子力を「クリーンエネルギー」と呼ぶ人々もいるので)。
ですが、気になってゴア氏のスピーチビデオやサイトを見たところ、
どうやら杞憂だったようで、WEキャンペーンでは
風力、ソーラー、地熱の3つを積極的に推しているようです。

そうそう、このゴア氏のスピーチ、英語ですけど良かったら見てみてください。
まるで現役大統領みたいに堂々たるスピーチで、
選挙中の両候補もかすんじゃいそうです ?^^;)
http://www.wecansolveit.org/pages/al_gore_a_generational_challenge_to_
repower_america/

では、WEキャンペーンの成功を祈りつつ。

また、近いうちに……!

Peace.
Always,
Maki

   
   
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Maki Sano プロフィール:
自然と平和を愛するコピーライター。エスペランティスト。ニューヨーク在住。
「メッセージ from NY」のコーナーでは、Makiさんが配信しているメールニュース『NY Estuary』を転載しています。メールニュースを直接受信したい方は、こちら↓まで。
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