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暑中お見舞い申し上げます。Maki from New Yorkです。
いろいろあって、かなりご無沙汰してしまいました。
16年間一緒に暮らした猫のチエが急逝したり、
去年に引き続き網膜に穴が空いて緊急手術を受けたり
(今回は剥離しかけていました〜 >_<)、
水も電気もガスもないメイン州の山中で
キャビンキャンピングをしたりと、
ちょっと非日常的な時間を過ごしておりました。
もちろん、ユニセフのコピーのお仕事も
あっぷあっぷ溺れそうになりながら ^^;) 続けてます。
久しぶりの今日は、ニューヨークの地下鉄に関する
お話をしましょう。いいお話、あんまりよろしくないお話、
笑えるお話の3本です。
まずはあんまりよろしくないお話から。
先週 在ニューヨーク日本総領事館から届いた
在留邦人への緊急お知らせメールを転送させていただきます:
http://www.cgj.org/jp/p/kinkyu/kinkyu050721.html
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜以下転送〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
<<< 在ニューヨーク総領事館からのお知らせ >>>
在留邦人のみなさまへ
ニューヨーク地下鉄改札口における乗客の荷物検査について
2005年7月21日
7月21日付で、ニューヨーク市警察長官は、ロンドンでの地下鉄同時爆破テロ後の警戒措置として、地下鉄の改札所前及び駅構内において、7月22日(金)よりニューヨーク市警察によって、ランダムに乗客の荷物検査をすると発表しましたので、お知らせします。
乗客がこの検査を拒否した場合は、乗車を認めないとしています。
また、バス及び鉄道においても同様の検査が行われるとのことです。
なお、ニューヨーク市警察長官は、もし荷物検査を行ったときに違法物(麻薬、銃、爆弾等)が発見された場合には、その場で逮捕すると述べています。
ブルームバーグ・ニューヨーク市長は、「非常に悲しいことではあるが、我々はこのような危機管理が必要な時代に生きている。」とコメントしています。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜以上転送〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「このような危機管理が必要な時代」に誰がした!
……私たちみんなですね。
地下鉄の駅や車内で警官が目を光らせているのは、
安心でありがたいことだと思われるかもしれませんが、
私は安心よりも不安を強く感じてしまいます。
「このような危機管理が必要な時代」に
だんだん慣れていくみんなに、そして自分に。
このニュースを読んで、「茶色の朝」という寓話を思い出しました。
フランク・パウ゛ロフというフランスの心理学者が書いた本で、
フランスでは50万部を超えるベストセラーとなり、
日本を含む世界10カ国以上で翻訳版が出版されています。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4272600478/250-0425131-2632210
物語の舞台は架空の国。
ある日、「茶色以外の色の猫は飼ってはいけない」
という奇妙なペット特別措置法ができ、
主人公は飼っていたブチ猫を始末させられます。
やがて特措法は犬にも拡大され、主人公の友人も
黒いラブラドールを安楽死させることになります。
もちろん胸は痛むけれど、国が言うにはペットは茶色が一番
丈夫だそうだし、他のみんなも従ってるし、法律だから仕方ない。
やがて、この法律を批判する記事を載せた新聞が廃刊になります。
主人公も友人も気に入って読んでいた新聞でしたが、
まあ「茶色新報」でも情報は入るしね、と自分に言い訳をして
2人は流れを受け入れます。こうして少しずつ、
国中に茶色いものが増えていき、人々はあらゆる単語に
「茶色い」という形容詞を付けて会話するようになります。
主人公と友人も、それぞれ新しく茶色い猫と犬を手に入れ、
「流れに逆らいさえしなれば面倒なことは起きないし、
実際『茶色に守られた安心』というのも悪くないよね」と、
けっこうハッピーに暮らし始めていたのですが……。
(後略)
ちなみに、フランス人にとっての茶色は
ナチスの制服の色、ファシズムの象徴だそうです。
毎日少しずつ、じわじわと生活に染み込んでくる異常事態を
異常だと認識できる感性、声をあげる勇気、考え続ける持久力を
からめ取られてしまわないよう、しっかり前を向いて
生きていきたいものですね。
*****
お次は気を取り直していいお話を。
ニューヨーク初、ソーラー地下鉄駅が誕生!
http://www.renewableenergyaccess.com/rea/news/story?id=33583
先月、地下鉄D・F・N・Q番線の終着駅
コニーアイランド/スティルウェル・アベニュー駅が
3年におよぶ改修工事を終え、かっこいいドーム屋根を持った
新しい駅として生まれ変わりました。
ドーム部分には2,730枚のフィルム状ソーラーパネルが組み込まれ、
年間25万キロワット時の出力で、駅構内の照明など、
駅で必要な全電力(列車の牽引以外)をまかなえるそうです。
ニューヨークの公共交通施設でこのような試みが行われたのは初めてのこと。
全米規模でも「最もグリーンな交通施設の一つ」と評価されています。
このような比較に意味があるかどうか分かりませんが、
私が産業技術総合研究所つくばセンターのHPで仕入れた情報によると、
100万キロワット時=一般家庭300世帯分の電力消費量だそうなので、
単純計算すると、この駅で75世帯分の電力が作れることになります。
線路数8、ターミナルというほど大掛かりな駅ではないので、
なるほど、そんなところかな、という気もします。
改修費として2億8,000万ドルが費やされたとのことで、
創出されるソーラーエネルギーでこの費用を償却できる日は
まだずっと先のこと(あるいは永遠に来ない?)かもしれませんが、
こういったプロジェクトにはパイオニアとしての期待が込められているので、
まずは完成したこと、毎日稼働していることに乾杯!です。
ちなみに、駅前に広がるコニーアイランドは、
マンハッタンから地下鉄一本で行ける「庶民のビーチ」として
あまりにも有名。映画にもよく出てくるニューヨークの観光名所です。
最近では、日本人のコバヤシさんが優勝し続けている
ホットドック早食い競争の舞台としても知られていますね。
(現地に行くと、ホットドックにかぶりつくコバヤシさんの写真と
彼の歴代早食い記録が巨大ビルボードに燦然と輝いていて、
同じ日本人としてちょっぴり鼻が高くなったりします……笑)
残念なのは、このように人の出入りのたいへん多い駅だというのに、
駅のソーラー化について、ポスター1枚の説明もないことです。
たぶん、利用客のほとんどは、駅が改修されたことは知っていても、
ソーラー化されたことは知らないままなのでしょうね。
好奇心旺盛な子供を連れたファミリーなんかも大勢訪れるのに、
もったいないなあ〜と思います。ちょっとしたパネル説明とともに、
「本日の出力量」メーターとかを見せてあげるだけでも、
とてもよい啓蒙になると思うんですけどね。
MTA(交通公社)に提案メールでも書いてみましょうか。
*****
最後に、笑えるお話をひとつ。
ニューヨーク最大の空の玄関口といえばご存知ケネディ空港ですが、
1年半ほど前に、このケネディ空港と最寄りの地下鉄駅をつなぐ
「エアトレイン」というモノレールが開通しました。
http://www.airtrainjfk.com/airtrain/
これによって、従来タクシーで40ドル前後かかっていた
空港―マンハッタン間の移動が、たった7ドルで可能となりました
(ただし、タクシーの倍くらい時間がかかります)。
空港からエアトレインに乗って最寄りの地下鉄駅ハワードビーチに到着し、
こぎれいなターミナルの中でマンハッタン行きの列車が来るのを待っていると、
列車到着案内のアナウンスが数カ国語で流れます。
英語、スペイン語、ドイツ語などに続いて、日本語でも……
「まもなくマンハッタン行きAトレインがまいります」(だったかな)
何を隠そう、このアナウンスを吹き込んだのは私です。
声優でもない私がなぜ?と不思議にお思いでしょう(私も思いましたから)。
実は当初は、とあるマーケティングエージェンシーから
英語のアナウンス文を日本語に翻訳してくれと頼まれただけだったのですが、
その後翻訳文を読み上げる日本人の声優(女声)が手配できなかったらしく、
急きょ私がレコーディングスタジオに呼び出されて録音となりました。
ちなみに、この仕事でいただいた約2万円/30分というフィーは、
私がこれまで仕事でいただいた(そしてたぶん今後も含めた)フィーの中で
最高の時給レートです ^^;)
先日、初めて現地(ハワードビーチ駅のターミナル)に行って
このアナウンスを聞く機会がありました。
スピーカーが悪いのか、音量設定が悪いのか、
レコーディングスタジオで聞いた時より全体的に音が割れていて
聞きづらいものでした。声も、他人様の声みたいに聞こえました。
そして何よりも「あちゃー」と思ったこと:
日本語のアナウンスは数カ国語の最後に流れるので、
他の言語と比べて十数秒から数秒遅れをとります。
そのため、ターミナルでアナウンスを聞いてから
階下のプラットフォームへ駆け下りても、
よほど足の早い人でない限り発車に間に合わない、
ということが分かったのでした…… _ _;)
全工程のどれか一つがコケただけでも意味をなさなくなる。
たくさんの人が絡むコミュニケーションってのは難しいですね。
(いや、フツーに考えればしごく簡単なことなんですけどね〜 ^^;)
ではまた、近いうちに!
Peace.
Always,
Maki |