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From: Maki Sano
Sent: 2004/09/05
To: Everyone  
Subject: ブッシュが去ったニューヨークより
こんにちは!Maki from New Yorkです。
米共和党全国大会が終わって、ブッシュ大統領とその友人たちがこの街から去り、
昨夜は久しぶりにヘリコプターの音が聞こえない静かな夜を迎えることができました。
(と思っていたら、ロシアから学校占拠の痛ましいニュースが‥‥嗚呼)

マンハッタンの住民はここ一週間ほどずっと、
サーチライトで空をかき回しながら低空飛行するヘリコプターや
道行く人々の顔まで鮮明に識別できる超高性能カメラを装備した飛行船に見下ろされ、
地上では自動小銃を手にしたおびただしい数の警官に囲まれて、
かなりうんざりしながら生活していました。ノンポリの人々でさえ、
「なんでわざわざ(リベラル色の強い)ニューヨークで共和党大会をやるかな〜」
「何でもいいから早く出て行ってくれ〜」と不快感をあらわにしていました。
うちの家人など、DVDプレーヤーをダッフルバッグに入れて修理屋へ持って行く途中、
6人の警官に囲まれ「そのバッグを開けろ」と詰め寄られたそうです。
家人がジッパーに手をかけると同時に全員が半歩後退したという笑い話付きですが ^^;)

そんなきなくさーい日々でしたが、前回お知らせした大規模反戦パレードは
おかげさまで大成功でした。翌日に主催団体から届いた報告のメールを
簡単に訳して以下にお送りしますね。

*****************以下、主催団体のメール*****************

ブッシュの政策にNO! 50万人以上がニューヨーク市を行進
2004年8月30日

親愛なる友人たちへ

「世界はブッシュの政策にNO!」のスローガンを掲げて共和党大会会場前を 通過する行進は、昨日、大成功のうちに終了しました。これは、党大会を 対象とした抗議行動としては過去最大のもので、ニューヨークで行われた 歴代の抗議行動の中でも最大級と呼べるものでした。私たちは、最低でも 50万人がこのイベントに参加したと算出しています(ニューヨークタイムズ紙によると、NY市警もこの数字を認めたとのこと)。50万もの人々がニューヨークのストリートを埋め尽くし、ブッシュの政策に反対の声をあげたのです。規模の大きさだけでなく、アメリカ中のあらゆるコミュニティ、 あらゆる選挙区から、非常に幅広い層の人々が集まったことも特筆すべきでしょう。

このイベントのために、時間やエネルギー、知恵や人脈を提供してくださったすべての人々に感謝します。皆さんのおかげで、米国史上きわめて重要なこの時期に、変化を呼び起こすための声をあげることができました。

(中略)

以下に、昨日の抗議行動についてのプレスリリースをお送りします。

---------------------------------------
プレスリリース

ブッシュの政策にNO! 50万人以上がニューヨーク市を行進

8月29日、ニューヨーク州ニューヨーク市で、党大会を対象とした過去最大の抗議行動が行われました。全米から集結した50万人以上が、ブッシュ大統領の政策とイラク戦争への不支持を表明しようと、共和党大会会場であるマディソンスクエアガーデンの前を通過する行進に参加しました。主催団体ユナイテッドフォーピース&ジャスティスの全国コーディネーター、レスリー・ケーガンはこう語っています。「米国社会のあらゆる階層・分野から、あらゆる背景を持った人々がここに集まりました。党大会のステージで光を当てられることのない課題---暴力と混沌が続くイラク情勢、縮小の一途をたどる環境政策、女性の選択権利、その他アメリカ国民が懸念している多くの問題---にスポットライトを当てるためです。」

行進の先陣を切ったのは、映画監督マイケル・ムーア、公民権運動家ジェシー・ジャクソン師、俳優ロージー・ペレス、メリッサ・トメイ、ダニー・グロバー、歌手スティーブ・アール、下院議員チャールズ・ランゲル、劇作家イブ・エンスラー、それにイラク帰還兵、米軍兵士家族の会、911遺族の会、宗教指導者、地域の代表者などです。あまりに多くの人が集まったため、全員がユニオンスクエア公園にゴールインするまで6時間近くもかかりました。

その後、数千人がセントラルパークのグレートローンへと向かいました。ここは、共和党員でもあるマイケル・ブルームバーグ・ニューヨーク市長が私たちの集会開催申請を却下した場所ですが、公園内はなごやかで陽気な空気に包まれていました。行進中は警察のものものしい警備が目立ちましたが、参加者と警察の間に起きた摩擦はごくわずかでした。ただ、この行進とは別に、夕方近くにタイムズスクエアで共和党員に抗議した人々数百人が逮捕されました。

行進中のシュプレヒコールや参加者が用意したプラカードの多くは、イラクでの戦争と占領を非難するものでした。2003年3月の開戦以来1,000人近くにも上っている米軍兵士の犠牲者を表現しようと、星条旗に包まれた数百の棺を掲げて歩いたグループもありました。兵士の家族は---息子や娘をイラク戦争で亡くした人々もいます---愛する家族の遺影や写真を掲げて占領の即時終結を訴えました。

当日は、カリフォルニア州サンディエゴからイリノイ州シカゴ、フロリダ州オーランドまで、 全米各地でブッシュ大統領の政策に異議を唱える集会や抗議行動が行われました。

ユナイテッドフォーピース&ジャスティスは、800以上の団体からなる無党派連合です。2002年10月の創設以来、過去最大のイラク反戦デモ2回(Maki注:開戦直前の国連前集会と開戦後のブロードウェイ行進のことと思われます)を含む数多くの抗議行動や集会を全米各地で主催してきました。

*************以上、主催団体からのメールでした****************

このメールには「数百人が逮捕されました」とありますが、比較的なごやかだったこの日のイベントの後、ニューヨークでは許可/無許可合わせて数十の抗議集会が開かれ、逮捕者は日を追うごとに増えました。最終的(大会終了まで)には約1,800人が逮捕されたそうです。

一部、路上でスカルプチャーに火を付けたり、共和党員に対するストーキングまがいの 見苦しい動きもあったようですが、ほとんどは、警察の命令に従わなかったとか、無許可で集会を開いたとか、座り込みを行ったとか、許可エリアからはみ出して行進したとか、厳密に法に照らし合わせて裁けばどちらに非があるのかビミョーな線での逮捕だったようです。

用意のいいニューヨーク市長は、大会開催中に検挙した人々を大量拘置するため、あらかじめ川沿いのピアをまるまる一つ空けておきました。その劣悪な環境から「グアンタナモ・オン・ハドソン」という不名誉なニックネームが付いたピア57です(グアンタナモはキューバにある米軍基地内の拘置所で、タリバン兵が収容されていることで有名)。

ちなみに私自身は、共和党大会開会前日に行われた上述の50万人行進をはじめ、大会終了までに仕事の合間をぬって2〜3のイベントに顔を出しましたが、おかげさまで一度も警察のお世話にならずにすみました。

どのイベントでも、怒れる元気な市民がさまざまに知恵をしぼってブッシュ政権を糾弾していました。

圧巻は、厚紙でできた棺の行進でした。ご存知のように、政府はメディアに対し、遺体となって帰ってきた米軍兵士の棺の映像を一切公開しないよう厳しい統制を敷いています。ので、アメリカ人は自国民の死を数字で「知る」ことはあっても、映像で「感じる」ことはありません。

それを、メディアがやらないなら自分たちでやろう!と、厚紙を切っておびただしい数の棺を作り、星条旗でくるんでパレードで掲げ持ち、約1,000人に上る米軍犠牲者をシンボライズさせたのです。紙製のハリボテの棺ながら、一人ひとりの命の重さを感じさせ、失われたものをしっかりと視覚化する、実に効果的なアプローチだったと思います。

もちろん、そういうクリエイティブなアプローチだけでなく、ブッシュや共和党員をひたすらののしるだけのプラカードやシュプレヒコールも多々見られました。

正確に言えば、そちらの方が多く目に付きました。「一国の首領が、よくもまあこれだけ国民に嫌われたものだ」と感心すると同時に、「NO」で人を束ねることのた易さ、「YES」で人を束ねることの難しさを痛感させられました。

分厚い警備の向こう側にいる共和党員の顔がまったく見えてこない、というのも、今回感じたことです。党大会期間中、会場であるマディソンスクエアガーデンは、メディアから「反ブッシュの海に浮かぶ要塞」と呼ばれていました。そして、まったくその通りでした。共和党員たちはホテルと大会会場をドア・トゥ・ドアの専用バスで往復し、他の場所へ行くときもほとんど団体行動で、ニューヨーク市警にガードされ、専用路を歩き、同じニューヨークにいながらまるで別の国に住む人々のようでした。

反ブッシュ派との間にはいつも警官隊という名の鉄壁があり、話し合いの機会など一切ありません。お互いがお互いをTVのニュースで見ては、「おお、やだやだ」と言い合っているだけなのです。これじゃあ、現地人を理解しようともせず、防弾服に身をつつみ銃をちらつかせて上から管理するイラクでのやり方と同じです。確かに目の前のトラブルは回避できるかもしれませんが、嫌悪感が増幅されるだけで問題は何ひとつ解決しません。こんなやり方で国がまとめられると思ったら大間違いです。

この数日間、警察、ブッシュ大統領率いる共和党、そして反ブッシュ派、皆それぞれに非があったとは思いますが、自国民に対してさえ「対話拒絶型」のやり方を貫くブッシュ政権を目にして、これがあと4年も続くのは、やはり世界にとって大きな損失ではないか? と思えてならないのでした。

**************

人を非難するコピーは誰にでも書ける。でも、人々を前進させるコピーを書ける人は少ない。
めまいがするほど強い日差しが照りつける七番街を行進しながら、私は
おも〜い宿題をもらったような気がしていました。
(え?誰もアンタにそんなこと期待してないって?こりゃ失礼をば〜 ^^;)

Peace.
Always,
Maki

 

   
   
 
   
   
   
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Maki Sano プロフィール:
自然と平和を愛するコピーライター。エスペランティスト。ニューヨーク在住。
「メッセージ from NY」のコーナーでは、Makiさんが配信しているメールニュース『NY Estuary』を転載しています。メールニュースを直接受信したい方は、こちら↓まで。
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