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こんにちは!
マンハッタンから車で3時間余り北上したところにある
キャッツキル山中で数日間を過ごして帰ってまいりました。
天候にはおおむね恵まれましたが、一晩だけ、すごい暴風雨の直撃を受けました。
薄っぺらいテントの壁を通過してどんどん侵入してくる雨にも閉口しましたが、
タープのもやいづなを断ち切り、テントのフライ(雨よけカバー)を引き剥がし、
大人2人の入ったテントを宙に浮かさんばかりに吹きつける、
剣道の「突き」のような突風がいちばん恐かったです。
止んだかと思って気を抜くとすぐにまた吹き荒れるので、
私たちはテントの中で小一時間ほど、ずっと全体重をかけて
テントの骨組みを押さえつけていました。 そうしながら、
圧倒的な自然の力、その前でなすすべを持たない人間の小ささ、
そして山の気象の予測のつかなさに、ドキドキするものを感じていました。
私たちは、テントの中の自分たちを、数日前に見た映画
「『ザ・デイ・アフター・トゥモロー』みたいだね」と言って笑い合いました。
この映画、みなさんはもうご覧になったでしょうか?
5月下旬のメモリアルデー連休(日本では6月の最初の週末)に封切られた
話題のCG大作ですが、私は、封切りの数週間前に一風変わった宣伝メールを
受け取り、興味をそそられて見に行きました。
以下に、そのメールを簡単に訳してご紹介しましょう。
***********************以下引用***********************
「ホワイトハウスが見せたくなかった映画」
ムーブオンのメンバーのみなさんへ
メモリアルデーの週末、ハリウッドに夏の大作映画がやってきます。
ブッシュ政権は、その映画にかなり神経質になっています。
というより、あなたにその映画を見てもらいたくないと思っています。
なぜなら、それは地球温暖化についての映画だからです。
その映画「ザ・デイ・アフター・トゥモロー」は、サイエンスファクト
(科学的事実)よりサイエンスフィクション(SF)に近いものではありますが、
人々の話題に上ることは必至です。人々はこの映画について話し合い、
「本当にこんなことが起こるのだろうか?」と疑問を抱くでしょう。
これは、非常に多くのアメリカ人に「地球温暖化の現状」と
「問題解決の足を引っ張るブッシュ大統領」について知ってもらう、
またとないチャンスです。
連休に友達と一緒に楽しむにももってこいの、面白い映画でもあります。
こういうプランはどうでしょう。メモリアルデーの週末に、この、
ホワイトハウスが見せたがらない映画「ザ・デイ・アフター・トゥモロー」を見に、
友達を何人か引き連れて映画館へ向かう。映画館に着いたら、
そこでムーブオンのメンバーとおちあって、彼らと一緒にチラシを配る。
そのチラシには、温暖化の原因、ブッシュの環境政策により実際に起こりうる
気象災害、問題解決の方法などが分かりやすく解説されています。
やってみようという方はこちらのサイトへどうぞ。
http://moveon.org/dayafter/index.html?id=2833-616492-oFacR5K_BTNIEZ9Da5NhaA
こうした気象災害を回避するよう、ブッシュ大統領と議会に訴える
署名運動も展開中です。
http://www.moveon.org/climatecrisis/
「ザ・デイ・アフター・トゥモロー」の予告編をもう見た方も
いらっしゃるでしょう。竜巻がロサンゼルスを襲い、温暖化が引き金となって
北米大陸に氷河期が訪れ、マンハッタンが氷に閉ざされる‥‥というものです。
この映画には、全米で2,000万人、メモリアルデーの連休だけで
700〜800万人の動員が見込まれています。映画の中では、気象変動と
私たちの実生活が直結したかたちで描かれているので、観客はきっと、
「本当にこんなことが起こるのだろうか?」と自問しながら劇場から出てくる
はずです。そのとき、その疑問に答えるのが、私たちのチラシというわけです。
右派勢力はすでに、この映画を「気象変動陰謀論者がでっち上げた恐怖煽動型の
プロパガンダ映画」とこきおろす広報を始めています。彼らにとっては、
自分たちが恐ろしく時代遅れな科学を拠り所としていることや、地球温暖化を
真の脅威ととらえる世論からどうしようもなく立ち後れてしまっていることは、
大した問題ではないようです。
いくつかのメディアは、すでに私たちのチラシ・キャンペーンに
興味を示しています。昨日、このキャンペーンの公式スタートを知らせる
記者会見が開かれましたが、その様子は、AP通信、ニューヨークタイムズ、
ロサンゼルスタイムズが伝えています。
気象災害の警鐘を鳴らすのは、待ったなしの仕事です。
本物の「デイ・アフター・トゥモロー」が来てからでは遅いのです。
地球温暖化を、単なる「映画館でのスリル体験」から
「ホワイトハウスの優先課題」に転換するため、
あなたもこの楽しいチラシ・キャンペーンに参加してみませんか?
2004年5月12日
ムーブオン・チーム(キャリ−、ジョーン、ノア、ピーター、ウェス)
PS
映画の予告編はこちらのサイトで見られます。
http://www.dayaftertomorrowmovie.com/
(注:日本語サイトはこちら↓)
http://www.foxjapan.com/movies/dayaftertomorrow/
***********************以上引用***********************
差出人の「ムーブオン」は、米英のアフガン・イラク攻撃に数十万人規模の
オンライン反対署名を集めるなど、インターネットを最大限に活用した
戦略的な反戦運動で知られる、アメリカの草の根組織です。
環境問題にも熱心に取り組んでいるようで、今年2月に私が参加した講演会
「アル・ゴア、地球温暖化を語る」も、彼らが主催したイベントでした。
興味のある方は、下記サイトからメンバー登録(といっても、彼らのメール
配信先に加えてもらうだけのゆるいメンバーシップですが)ができます。
http://www.moveon.org/moveonbulletin/
さて、私はぜひとも封切り日に映画館に行って、彼らの配るチラシとやらを
もらいたかったのですが、仕事の都合上どうしても封切り日に行くことができず、
翌日の昼間にユニオン・スクエアのシネプレックスへと足を運びました。
館内は満員御礼の盛況ぶりでしたが、封切り日でなかったためか、
残念ながらチラシ配りの人々は見当たりませんでした。
「ザ・デイ・アフター・トゥモロー」を見た人々が、果たして温暖化に
思いを至らせたのかどうか、よく分からないまま私は山へと出かけ、
数日ぶりに帰宅したところ、ムーブオンから新たなメールが届いていました。
それによると、「662都市で8,000人以上のメンバーが映画館の前に立ち、
観客たちに気象災害の本当の脅威を訴えた」そうです。すごいですねえ。
メールには、チラシ配りを手伝ったボランティアの声もいくつか紹介されて
いましたが、なかでも↓この声は心に残りました。
「ティーンエイジャーの娘と一緒に映画館から出てきた母親にチラシを手渡した
ところ、母親はぱっと明るい表情に変わり、娘に向かってこう言いました。
『ほうらね、私たちにもできること、あるじゃない!』」
この映画「ザ・デイ・アフター・トゥモロー」、作品としては、
「ハイテクCGを売りにしたパニック映画のはずなのに、
政治色を出し過ぎたため観客がバカになって楽しめない」というジレンマを
抱えていますが、私などは「インデペンダンス・デー」と同じ監督だと聞いて
最初からあまり期待していなかったせいか、反対にけっこう楽しめました。
CGが見事なのはもちろんですが、映画の随所に「発想の転換」を喚起する
エピソードがちりばめられているのに小気味よさを感じました。
「環境が変わるとき」「お金が価値を失うとき」「権力が失墜するとき」
「大統領が変わるとき」「弱者と強者が逆転するとき」に、いかに発想を
転換できるか? いかに立場の違う存在に思いを馳せることができるか?
−−アメリカが生き延びるすべはもはやそこにしかない、というメッセージが
しっかり伝わってきます(ゆえにこの映画に不快感を感じるアメリカ人も多い
と思いますが)。あんまりネタバラシをしてはいけませんが、
私がいちばん面白かったのは、氷に閉ざされた北米大陸の住民が、
かろうじて残った生存可能地域であるメキシコへ我も我もと押し寄せ、
耐えかねたメキシコ政府が国境を封鎖して北米人の入国制限を始めるシーンでした。
アメリカ人がこういう映画を笑って受け入れられるようになるには、
まだまだ時間が必要でしょう。けれども、ハリウッドがこういう映画を
夏の大作として発表したり、カンヌ映画祭で「華氏911」がグランプリを
取ったりするのを見ていると、世の中が少しずつ「正気」を取り戻しつつある、
あるいは、そこまでは言えなくても、「正気」に戻そうとする一部の人々の動きが
活発化している、と感じるのです。
それではまた、近いうちに‥‥!
Peace.
Always,
Maki
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