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一月は、なにかと予定外のことが続いて忙しく、あの暗-いフカまんを書いたときは、こどもの頭にしらみを発見したその晩でした。日本では縁がもうないと思いますが、みなさん、アメリカの学校には、今もしらみが普通におります。
こどもたちがかゆがってるのは乾燥のせいかアレルギーかと思っていたら、急に自分の頭がかゆくてどうしようもなくなってきて、ある晩「はっ」としてこどもの髪の毛をかきわけると、極小ながら、線対称の生物的なものがあって、胸の奥にドーンとショックを感じながら、このあまりに太すぎる指を近づけると、細かな足が動いて奥へ入っていきます。「動いた。」その瞬間に、以前聞いた他の家族の「たいへんだったしらみ退治体験談」を思い出して、その晩は、その家族に電話したり退治方法を調べたり、翌朝から丸一日かかるすったもんだを前に、もんもんとしておりました。
次から次へと事が起こって楽しいのは人気ドラマですが、実生活でやられても、困るだけです。
そんな中、「仁」のDVD を貸してくれた人がいたので、息抜き、いや息継ぎすることができました。私は時代劇が好きなんです。こどもが寝るまで待ちきれずに初回を出したら、血は飛び出すわ人は落ちるわ胎児の目はアップで見開くわ、普段から悪夢を見がちな長男が、私を質問責めにしたあとでぽつり「今日は悪夢見るよ」と言って泣き出しました。やっと現代から江戸に落ちたところで止めて、その後は、お父さんと昼間に見たのでした。3歳の妹のほうはただ、胎児も落ちたが大丈夫かという心配をして、自分のベッドで朝まで眠れました。
お父さんにはもちろんストーリーの説明も時々しましたが、現代の医師が江戸にいるという大きなギャップのあるシチュエーションや、坂本龍馬と彼以外の人々の大きなギャップが派手だったことや、もちろんそれぞれのキャラクターがはっきり見えていて面白かったので、五年間日本にいて飲み屋で覚えた日本語と、デパートの上でランチをいっしょにしていたおばさまとのおしゃべりで覚えた日本語を駆使するお父さんにも、とても楽しめたようで、「わたし抜きで観ないでね」と釘を刺されました。一話終わるごとに誰かのまねをせずにいられなかったようで、終わりの回のあたりには、野風が乳がんの位置に手をやる仕草が出て来たし、私の手に鉛筆やはさみをさっと渡すようになりました。咲ちゃんのつもりです。
日本語サタデースクールから、息子が今週は宮沢賢治の「注文の多い料理店」を借りて来たので「あ、お母さんの好きな本だ、読もう。」と枕元で読み始めてから私は少し「あ、これはもしかして、昼間に読むべきだったか」と不安になりました。というのは、和田誠の絵が、あまりにシンプルで、のんきそうでいてズバリ不気味さが出ていて、最後のぐしゃぐしゃの顔がシンプルなだけにけっこう怖くて、いやあ、いい仕事してると感心しながらも、また悪夢騒ぎかとドキドキしてきたのでした。始めたからには止めれない。終わるとまた質問責めで、最後に後ろのページに「宮沢賢治の他の本」とあるのを見て、「この人の本はどれも怖いの?」と聞いてきました。「怖いのはこれだけで、もともと科学が好きだったりるいじみたいに石が好きだったりした人だから、そういうことを書いた面白い本もあるよ。」そう私が言うと、すぐに眠ってくれました。
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