目をつむったまま、にこはパスタを食べていた。ぐらぐら揺れるので、彼女が椅子から落ちないように側に待機した。「にこー、寝てんの?」と、るいじが声をかけると少し目を開けて、残りを食べると、「おかわり」と言った。少ない量じゃなかったし、「もう寝る」と言うと思っていたので、「そう来たか」と驚いたが、皿を持っておかわりを取りに行くと、当人はテーブルに突っ伏しているので慌てて戻り、「寝ようか」と抱きかかえようとすると、「おかわり」と一言。
食べながら眠り出すのは今日に限ったことではありませんが、たいていは食事に未練も見せず、寝床に入ります。
ハチミツの瓶から蜜を取り出すのに使う棒、先がごろんとなっているのをご存知でしょうか、あの先っぽのごろんに似た形の生パスタで、子どもたちの好きなのがあって、にこはそれをお昼に食べるつもりでお父さんとイタリアン・デリで買って来てくれたのですが、訳あって夕食まで延ばしました。またしても昼寝をしていないにこは、睡魔に飲まれそうになりながら、そのパスタを食べ、食べるとおなかがふくれて気持ちよくなり眠気が増してさらにぐらぐらする中で、お昼に食べ損ねたパスタを、満足の鐘が体中に鳴り響くまで食べたい、言葉にしたらそんなところだろうかと、母の推測。
そのミートソースが絡まったパスタにリコッタチーズを絡め、締めにはパルメジャーノ・レジャーノをぱらぱら削ってできあがり。「おかわりだよー」おもむろに身を起こし、フォークを突っつくも、上下さかさまでなかなか刺さらない。目は閉じたまま、上体は左右前後に揺れている。るいじはきゃらきゃら笑い、私はビデオテープを回してセットすると、また脇に待機した。なんとか上下を直してフォークを持たせたつもりが、またさかさまに刺している。なんとかなって、もぐもぐ、目を閉じたまま、完食した。「寝る。」
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