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フカフカまんじゅうキック
『イースター』
2005/04/05 UP
毎週日曜日に近くの公園に出てくるグリーン・マーケットが、イースターの前日の土曜日に出ていました。聞けばイースターの日は、クリスマスのようにお店が閉まるのだという。NY1にチャンネルを合わせて10分ごとに出てくる天気予報、10分ごとに見逃す不運に腹を立てつつ、ようやくつかまえ「今日は曇り」。3月の空は秋の空に負けないほど落着かない。春の日差しをありがたがってうるうるしてると、次の日は吹雪になったり、強風にあられが乗って、顔にビシバシ千本ノックのごとく間を置かずに叩き付けられるので、痛い。ストローラーに乗っていた息子もまともに受けて、パニックになって泣いていました。

よし、今日はセント・マークス教会のエッグハントとやらに行ってこよう。近いし、規模も小さいからね、昨日のセントラル・パークのよりは、いいだろう。昨日はセントラル・パークでイースターの行事があるというので行ってみると、東京のお花見スポット並みの人出。エッグ・ハントには長ーい列ができていました。はじめからエッグよりも、動物がじかに触れるペッティング・ズーを目指していたので行ってみると、やっぱり列でしたが短めなので待ちました。でも子供たちがじっと待つわけがなく、お父さんがサルや馬の真似をリアルにやっていてくれたおかげでなんとか間が持てたのですが、動物たちは柵から離れたところで寝ていて、想像していたようにふれあうことはできませんでした。たしかに、あんなたくさんの人に囲まれているだけでストレスものでしょうから、いちいちふれあっていられないでしょう、文句は言うまい。都会の動物も大変だ。

そう、教会に行くんだった。しっかし、毎日毎回、懲りもせず、飽くこともなく、なんでこうも外に出るのに時間がかかるんだ?パンツを脱がせようにも履かせようにも抵抗に次ぐ抵抗。みっちり毛の生えた中を毛流と逆に歩く虫の感じ、いや、一人海の中に立ち、「靴下履こうよー」と言う度にバッシャーンと波にのまれる感じかな。ただ抵抗するだけじゃない、あっちむいてホイのごとく撹乱作戦も相手は巧みに操る。お尻丸出しで歓声を上げながら走るこどもを追いかけ、さらに高らかにこう叫ぶ、「テレビ様ー、たーすけてー!」そして「はーい!」と言いながら、コンセントを抜くことでしか電源をオフにできない古いテレビの、狭い裏に腕を突っ込んでコンセントを差し込む。今日はテレビを点けても固まらず、抵抗が著しい。もうこれしかない、「じゃあお母さん行くから、ひとりで留守番だよ、ばいばーい」今回はこれで乗り切ったけど、いつかこのテも使えなくなって、「はい、お母さん行ってらっしゃい、帰りにこれ買ってきて」とメモを渡される日もそう遠くはあるまい。っかー!どうしたらいいんだろ、そしたら。

結局エッグ・ハントには間に合わず、ごついピエロから、息子は女の子に間違えられたか、「あなたにはこれがいいわ!」とピンクの細長い風船で白鳥型の冠を作ってかぶせてくれたのでした。志村けんが全員集合で、白鳥の首付きチュチュを着る時にいっしょにかぶっていたものとよく似ていて、母はつい「イッチョメイッチョメ」を想像するのでした。

公園へ向かうと息子は自分のストローラーをがらがらと押していきました。最近運動も兼ねてさせておくのですが、下を向く癖があって危ないので目が離せません。手を出すとさっとさえぎったり、この世の終わりのように泣き放つので、ちと面倒です。さらに彼は下に目をやっている間、車輪を見詰めているらしく、車輪にごみが付いたと言っては手で取ってやり、泥、フンは半泣きで私に訴えてきます。このときは、水溜まりの水がまだらに車輪に付いたそれを「汚れだ」と言って曲げず、水だからそのうち消えるよと言うと、2アベニューと10ストリートの角に仰向けになって、やりきれない思いを泣き放っておりました。うらやましい気もします。そんな彼も、公園に着くと、白鳥のくちばし部で大人にぶつかって遊んでいました。

行事がある度に「また中途半端だったなー」と思うのです。



大口一葉 ふかふかまんじゅうキック


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