言葉も次々に捕まえては繰り返し、気に入ると10回でも20回でもどこでも大声で言い、寝言でも言います。
「こっ言葉を覚えようとしているっ!」と、親はうれしいものです。ある時息子は「a tunnel Gordon did not see!」というこれまたトーマスの本のフレーズから、
「Gordon、not see!」だけを拾って連発していましたが、その発音は「ゴードン、ナッツィー!」でした。
こりゃ「ナチスのゴードン」と言ってるみたいだと、家では笑っていたのですが、
それを混んだ地下鉄に乗った途端にトンネルを意識し彼がやり始めました。「ゴードン、ナッツィー!ゴードン、ナッツィー!」
ニューヨークの群集の中に投げ入れて、気持ちの和らぐタイプの言葉には聞こえないのは確かで、彼が声高らかにやる度に、私は懸命に「a tunnel
Gordon did not seeでしょ!」と、 目的地まで添え続けるのでした。
それから何ヶ月か経った今、様々な言葉を地下鉄で明るく唱え続ける彼ですが、いまだあのフレーズは
「ゴードン、ナッツィー!」という短い文でしか表現されません。