しかしそれもわからなくはない。お産も子育ても赤ちゃんが違えば全て違い、だからこそ海ができるほどの違った情報がちまたに流れているのだから、不安そうな妊婦さんに何が言えるだろう。いやきっと、子育てが過去になってる人達はもう覚えてないだろうし、現役のお母さんは、何を言っていいやら頭の中の整理がつかないかもしれない。だからもう、きっと誰もがやってきた通り、いきあたりばったりに大騒ぎしながらやっていってもらうよりほかないと思うのだろう。
はい、したことがない、というからにはほんとに全てが初耳で、看護婦さんの言っていることの意味が飲み込めなくて焦ったし、だいたい病院の看護婦さん達もシティーワーカー達同様、ひとりひとりが胸を張って違うことを言うんだから困ってしまう。
生後二日目をカーシートに入れると、まるで初めて作った餃子みたいにひしゃげてる気がして、かと言ってあんまりいじくってもボロばかりが出るようで、「こんなド素人のまま私共をうちに返してしまってほんとによいのでござるか?」と、えびレベルのおよび腰だった。
冗談にしたけど、夫が看護婦さんに家に付いて来てくれとまで言ったのを覚えている。
以来、毎日振り回されつづけている。
いつになったら少しは楽になるかと思っていたけど、ひとりで座れても動けても立てても歩けても一向に楽にはならないとわかった。
ただ彼が1歳の誕生日を迎えた時に、1年目にして深呼吸ができた。ああ長いことこんな息してなかったなと思って、これからは目を泳がせないで据えとくようにしとこう、と、気づいた。
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